マナマコ科 Japanese common sea cucumber(英)海のきゅうり
ナマコは日本各地で見られ、体長は20〜30cm、太さ5〜6cmになります。 ヒトデやウニの仲間(棘皮動物)で、アオコ型、アカコ型があり、日本近海で年間6000トン程水揚されています。
ナマコは世界の海に1500種、日本に200種程度生息しています。
マナマコは体色の違いからアカナマコ(アカコ)、アオコ、クロコに分けられます。
赤ナマコは外海の岩場に生息しており、青ナマコ、黒ナマコは主に内湾の砂泥に生息しています。
エサは海中のプランクトンで、海底の砂や泥ごとそのまま飲み込みます(デトライタス食性)。 ナマコ一匹が食べる砂泥の分量は、一年間で30キログラムにもなるといわれています。
又、エサが見つからない時は自らの体をエネルギー源として消費し活動します(棘皮動物はエネルギー消費がとても少ないです)。
ナマコが活動するのは夜で、動く距離は一晩に7、8メートルです。 冬は活動的ですが、夏になると冬眠ならぬ夏眠をとります。 産卵期は3〜9月。 一年で体長6cm程度に成長します。
ナマコに刺激を与えると、内臓を吐き出す習性がありますが、半年ぐらいすると、また内蔵は再生します。
※元来ナマコは「コ(古)」と呼ばれており、生状態のナマコは「生」だから「生コ → ナマコ」と呼ばれていたそうです。 さらにナマコの腸の塩辛である「このわた」は、 「コ」のワタであるから「コノワタ」と呼ばれ、ナマコの卵巣の干し物である「このこ」は、「コの子」であることに由来しております。
又、体にイボ状の突起があることから英語名では海のきゅうり(Sea Cucumber)と呼ばれています。
古くはナマコを吸い物にして食べていましたが、近代はナマコを切り、三杯酢等をかけて食べるのが一般的な食べ方です。 関東では青ナマコ、 関西では赤ナマコ好むといわれています。
ナマコを煮たあと乾燥させたものを干しナマコ(いりこ)と呼び、中華料理で珍重されています。 かつて干しなまこは、フカヒレと並ぶ中国への重要な輸出品のひとつでした。 現在、世界で生産されている干しナマコは2万トンです。
又、内臓を塩漬けしたものは「このわた」と呼びます。 このこは卵巣を乾燥させたもので、火で炙って酒の肴にします。
少ないです。 ナマコはホスロリンという物質を持っており、これが魚には毒となります(ヒトには無害です)。
ナマコは雌雄異体ですが、外見では判別がつきません。
せいぜい10年程ではないかと言われています。
9割以上が水です。 寒い時に成長し、暑い時に小さくなります。 驚くべき再生能力を秘めており、ナマコを半分に切ったとしても、3か月ほどで再生して2匹となります(横半分。 縦半分に切ると逝く)。
ちなみに目も耳もありません。
海水浴中にナマコをうっかり踏んづけてしまうと、白い糸を出すことがあります。 これはキュビエ器官で、身を守る目的があります。 又、ナマコは攻撃されると腸を吐き出す事もあります。 しかも腸は、2か月ほどかけて再生されます。
国内におけるマナマコの漁獲量は、1970年代後半までは年間一万トンほどありましたが、近年では7000トンに落ち着いています。 漁獲量の多い県は北海道、山口、青森で、ほぼ1000トンの水揚げがあります。 それに石川、兵庫、広島、長崎が続きます。
日本では古くからナマコを食べる習慣があり、江戸時代干しナマコは盛んに輸出されておりました(俵物)。
養殖の歴史も世界一で、天然の稚ナマコを集めてきてはある程度の大きさになるまで育て、海へ放流する手法は日本各地で行われています。 近年では、親ナマコの卵を水槽内で育て、放流する人口種苗生産にも成功しております。
高値で輸出されるナマコを狙った密漁が各地で相次いでいます。
見張り役を置いたりと、組織的な密漁も目立ちます。 現行犯である必要の現行法では摘発し難く、 漁業関係者は規制の強化を訴え続けています。
水産庁は自治体と連携し、密漁の抑止に努めています(2017/5/10付日本経済新聞web版より)。
※ このページを作るにあたり『 ナマコガイドブック 』を参考にいたしました。